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湘南・沿岸エリアの建物メンテナンス:塩害対策を重視した大規模修繕のポイント

スタッフ

担当:まるやま

湘南・沿岸エリアは非常に人気の高い居住地ですが、建物管理の視点で見ると非常に過酷な環境と言えます。最大のリスクは、潮風に含まれる塩分が引き起こす「塩害」です。

内陸部では問題のない材料・工法を用いたとしても、湘南・沿岸エリアでは塩害により数年で錆が発生し、塗装が剥がれ落ちる可能性があります。

今回は湘南・沿岸エリアにおける塩害対策を意識した修繕のポイントを解説いたします。

鉄部を守る「重防食」の重要性

塩害による影響が顕著に劣化が現れるのが、階段の手すり・配管・外部金物・駐輪場などの鉄部です。

内陸部との仕様の違いを正確に理解することが、湘南・沿岸エリアの修繕では特に重要です。

例えば 一般的なエリアでは「ケレン(錆落とし)+錆止め1回+上塗り2回」が標準です。しかし、沿岸部ではこれでは不十分で、錆止めを1回以上塗布するケースもあります。

さらに、塗料はサビに強く防食性に優れている製品などを使用し、塩分による劣化を抑える必要があります。

また部材に関しても、耐塩・重耐塩仕様のものを使用することが大切です。溶融亜鉛メッキやステンレスなどの耐食性を持つ素材が適しています。

外壁塗装:塩分を「寄せ付けない」と「洗い流す」

サイディングやモルタルなどの外壁材も塩害の影響を強く受けます。

湘南・沿岸エリアでは単に耐久性が高いだけでなく、塩分の付着を防いだり、洗い流す機能を持つ塗料が必要です。

塩害対策として、主に次のようなタイプの塗料が用いられます。

超低汚染性(セルフクリーニング機能)

超低汚染性とは汚れが付着しにくい・付着しても汚れが取れやすい機能を指します。

潮風に含まれる塩分はベタつきやすく、外壁に付着すると汚れやカビ、藻などが付きやすくなり、酸化の原因となってしまいます。

超低汚染性塗料や雨水で汚れを洗い流す「セルフクリーニング機能」を持つ塗料を選ぶことで、塩分が定着するのを防ぐことが可能です。

耐塩害性・耐酸性

塩分・酸性雨・排気ガスに対する耐性を持った塗料もオススメです。

沿岸部・港湾部の大型施設にもこれらの機能を兼ね備えた塗料が採用されており、長期的に綺麗な状態を保つことができます。

高耐候性(紫外線への耐性)

湘南・沿岸エリアは紫外線も非常に強いエリアであるため、耐候性が高く紫外線の影響を受けにくい最高グレードの塗料を使用するのが理想的です。

フッ素塗料や無機塗料は耐久性・耐候性に優れている分、シリコン塗料などと比べて費用も高額にはなりますが、長い目で見ると塗り替えの回数が減り、結果として長期的なメンテナンスコストを抑えられる可能性があります。

色(明度)の選定

遮熱塗料を使用する場合は、白・淡色ほど日射反射率が高く遮熱効果が大きくなります。

しかし、沿岸部では汚れが付きやすく、白・淡色はその汚れが目立ちやすいというデメリットもあるため、汚染性の性能と明度のバランスを考慮した選定が重要です。

目地(シーリング)の劣化が「構造」を腐食させる

意外と見落とされがちなのが、窓枠や外壁の継ぎ目に施されているシーリング材(コーキング)です。

シーリングには雨水の浸入を防ぐ防水効果や、地震や車の振動などによる揺れにより、建材が傷つくのを防ぐクッションのような役割があります。

外壁塗装と同様に、シーリング材の選定も沿岸エリアでは特別な配慮が必要です。

塩分によるシーリング劣化

シーリングが潮風にさらされると、通常よりも早く硬化・ひび割れが進行します。

そして、劣化部分から塩分を含んだ水が建物の内部に浸入し、鉄部・木部の腐食を引き起こしたり、外壁内側からコンクリートが破壊される「爆裂」という現象が発生する恐れがあります。

爆裂が進むと建物の構造耐力に影響し、取り返しのつかないダメージを与え、さらに外から見えにくいため発見が遅れやすく、修繕コストが大幅に増大するリスクも高まります。

湘南・沿岸エリアのシーリング対策

修繕時には通常グレードのシーリング材ではなく、耐用年数が20年クラスの高耐久・高耐候性シーリング材を使用するのが望ましいです。

また補修方法は、塩害エリアでは「打ち増し」を行っても寿命が短いため「打ち替え」が適しています。打ち増しとは、既存のシーリングの上から新しいシーリング材を被せる工法、打ち替えは既存のシーリングを撤去して新しいものに交換する工法です。

ただし、サッシ周りなど打ち替えが困難な箇所も存在します。そのため、打ち増しを行うと言われた場合は「なぜ打ち替えではないのか?」を施工業者に聞いてみるようにしましょう。

塩害対策:発注前の確認チェックリスト

鉄部の見積書に詳細が明記されているか

「鉄部塗装 一式」という表記では不十分です。これではどのような下地処理を行うのか、使用する塗料のグレードなどがわかりません。

ケレン(1種・2種・3種の区別)や錆止め塗装の回数・塗料名が明記されているかを確認しましょう。

手すり・外部金物の材質交換の検討

既存の鉄部が著しく腐食している場合、塗装で対応するのではなく、溶融亜鉛メッキ鋼材またはステンレスへの部材交換の方が長期コストを抑えられる可能性もあります。

施工会社にも現在の劣化状況や長期的なコストについて相談し、両方の選択肢を検討してみてください。

外壁塗料の製品名・塩害への耐性を確認したか

見積書に「フッ素塗料」「無機塗料」という表記しかなく、塗料の詳細が書かれていない場合は注意が必要です。

具体的なメーカー・製品名、耐候性や耐塩害性などの機能性を確認し、沿岸部での使用に適しているかをチェックしておくようにしましょう。

シーリングは「打ち替え」で高耐久品が指定されているか

前項の外壁塗料に関する部分と同様に、「シーリング工事 一式」という表記のみの場合は、詳しい製品名や工法が不明のため要注意です。

沿岸部では打ち増しではなく打ち替えが適しています。また、塗料の耐用年数に見合った高耐久シーリング材が指定されているかという点も重要なポイントです。

まとめ

「湘南・沿岸エリアの建物は傷みが早いから仕方ない」と諦めている方もいらっしゃるかと思います。しかし大切なのは、地域の特性を理解し、適切な対策を実施することです。

耐塩害性や耐候性、低汚染性といった機能性も持つ塗料を使用することで、塩害による劣化進行を最小限に抑えることができます。

また、シーリング材の種類や工法、使用する部材の材質によっても建物状態を大きく変えられる効果がありますので、大規模修繕の際にどのような対策ができるのかを検討してみるようにしましょう。

ビルドアートではエリアごとの特性や起こりやすい劣化症状などを把握し、立地に適した材料・工法のご提案をしております。塩害対策でお悩みのオーナー様はお気軽にお問い合わせください。

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