担当:まるやま
マンションの外壁は、毎日の雨風や紫外線に晒され、少しずつ劣化が進んでいきます。
特に鉄筋コンクリート造のマンションの場合は、コンクリートの特徴をしっかりと理解し、タイミングを逃さずメンテナンスすることが、建物の寿命や見た目の美しさ、そして資産価値を守ることにつながります。
このページでは、コンクリート外壁の特徴や劣化のサイン、適した塗料の種類などについて詳しくご紹介します。
コンクリートは、セメントに水・細骨材(砂)、粗骨材(砂利)を混ぜて固めた建材で、強度が高く耐火性にも優れているため、マンションの構造体や外壁材として広く使用されています。
特に外壁部分では、コンクリートそのものが建物の「顔」として見える仕上げも多く、中でも「打ち放し仕上げ(打ち放しコンクリート)」は、型枠を外したままの自然な質感を活かしたスタイリッシュな外観が人気となっています。
コンクリート造のマンションは、構造体自体はとても丈夫ですが、外壁は雨風や紫外線の影響を日々受けています。中でも打ち放し仕上げの外壁は、時間とともに汚れや劣化が目立ちやすくなります。
こうした劣化を防ぎ、美観と性能を保つためには、定期的な塗装による保護と補修が欠かせません。ここでは、コンクリート外壁を塗装する主な理由を3つに分けてご紹介します。
コンクリート外壁は、無機質で洗練されたデザインが魅力ですが、年月の経過とともに雨だれや汚れ、黒ずみが目立ちやすくなります。こうした変化は、建物の全体の印象に影響し、資産価値の低下につながる可能性もあります。
塗装によって外観の清潔感を回復させることで、築年数に比べてきれいな印象を保つことができ、周囲からの評価や入居希望者の第一印象も向上しやすくなります。
特に打ち放し仕上げのコンクリート外壁では、クリヤー塗料や撥水剤を使用することで質感を活かしながら、表面の保護と美観維持を両立することができるでしょう。
コンクリート外壁は、経年劣化によりひび割れや剥がれが生じることがあります。劣化を放置すると、雨水が浸入しやすくなり、雨漏りの原因となるだけではなく、内部の鉄筋にまで影響を及ぼし、建物の耐久性を損ねる危険性もあります。
こうした被害を防ぐためにも、外壁塗装の際には下地の状態をしっかりと確認し、ひび割れや脆くなった部分を適切に補修することが大切です。
下地処理をしっかり行ったうえで塗装を施すことで、美観を整えるだけではなく、建物全体の健全性を長く維持することができます。
マンションの外観は、入居希望者が物件を選ぶ際の大きな判断材料のひとつです。外壁に汚れやひび割れ、剥がれなどが見られると、「古くて管理が行き届いていない」といった印象を与えてしまうこともあります。
そのため、定期的に塗装や補修を行い、清潔感のある外観を保つことで老朽化のイメージを払拭し、空室対策や入居者満足度の向上につなげることができます。
競合物件が多いエリアほど、こうした外観の印象が入居者に選ばれる大きな要因となるケースも少なくありません。だからこそ、定期的な塗装は建物の魅力を高めるうえで欠かせない取り組みといえるでしょう。
コンクリート外壁は、経年劣化が進むにつれてさまざまな症状が現れます。ここでは、コンクリート外壁で代表的な劣化症状を6つご紹介します。
早めの発見が建物の健全性を守る重要なポイントとなりますので、ぜひ日頃からチェックしておきましょう。
爆裂とは、鉄筋コンクリート造の外壁内部で鉄筋が錆び、その体積膨張によって周囲のコンクリートが押し割られ、剥離や破裂を引き起こす現象です。
錆びた鉄筋は元の体積の約2〜4倍にまで膨らむことがあり、その圧力によってコンクリート表面が浮き上がったり、剥がれ落ちてしまいます。
このような現象は、構造耐力に直接関わる重大な劣化のひとつとされ、進行すると鉄筋の断面欠損やコンクリートの脱落といった危険を伴います。外壁の安全性や長期的な耐久性を守るためにも、早期の発見と原因に応じた適切な補修が欠かせません。
一見すると小さな剥がれに見えても、内部で鉄筋の腐食が進行しているケースも多いため、専門業者による打診調査や中性化試験などを活用し、劣化の有無をしっかり確認しておきましょう。
コンクリート外壁に発生するひび割れ(クラック)は、乾燥収縮や地震、建物の細微な動きなどさまざまな要因で生じてしまいます。
ひび割れの幅や深さによっては、構造に影響を及ぼさない軽微なケースもありますが、そのまま放置してしまうと、雨水が浸入し内部の鉄筋を腐食させる原因になる可能性があります。
ひび割れは、目視だけでは把握しづらいこともあるため、定期的に外壁調査を実施し位置や進行の程度を確認しておきましょう。
発見したひび割れは早めに補修し、必要に応じて下地処理や塗装を行うことで、劣化の進行を防ぎ建物を長く安全に使い続けることができます。
コンクリート外壁は、経年によって排気ガスやホコリ、雨水の影響を受け、徐々に黒ずみや変色が目立つようになります。なかでも、雨だれによる汚れは特に目立ちやすく、外観の美しさを損なう原因になります。
さらに、コンクリート内部の水酸化カルシウムなどの成分が溶け出し、表面に白い結晶となって現れる「白華現象(エフロレッセンス)」という症状が起こる場合もあります。
白華現象は、防水性の低下やひび割れなどから浸入した水分と溶け出した原因物質が表面に移動し、二酸化炭素と化学反応を起こすことによって生じる現象で、見た目の問題だけではなく、外壁の代表的な劣化サインのひとつでもあります。
コンクリートは本来、水を吸いやすい性質を持っているため、防水機能が低下している部分には雨水や湿気が浸透しやすくなります。
浸透した水分が乾燥する過程で、水分そのものは蒸発しても、水に含まれる汚れや水垢などの成分が外壁に残り、シミのような跡をつくることがあります。
こうした水染みは、美観を損ねるだけではなく、外壁内部への水分の浸入を知らせる初期症状でもあり、放置すると建物全体の劣化を進行させる要因ともなるため注意が必要です。
コンクリート外壁を長持ちさせるためにも、水染みを見つけたら防水機能の回復を目的とした適切な塗装や補修を早めに行うようにしましょう。
コンクリート外壁の、膨れや剥離は、躯体内部に雨水が浸み込むことでことで起こることがあります。
雨水に含まれる酸性成分とアルカリ性のコンクリートが反応し、いわゆる「中性化」が進行することでコンクリートの強度が低下し、表面が脆くなることで膨れや剥離の症状が起こりやすくなります。
また、経年による防水性能の低下や施工時の下地不良も膨れや剥離の原因となることがあり、このまま放置してしまうと、内部の鉄筋の腐食が進み、建物の耐久性に重大な影響を及ぼす恐れがあるので注意が必要です。
コンクリート外壁の目地部分に使われているシーリングは、雨水の浸入を防ぎ、建物の防水性を維持する大切な役割を担っています。
しかし、シーリング材は紫外線や雨風の影響を受けやすく、経年とともに硬化やひび割れ、剥がれなどの症状が現れるようになります。
劣化したシーリングに隙間ができてしまうことで、その隙間から雨水が浸入しやすくなり、内部の鉄筋や躯体にダメージを与えるリスクが高まります。
シーリングの劣化を放置してしまうと、雨漏りやコンクリートの腐食を引き起こし、建物の耐久性低下につながる恐れもあるため、早めの補修が必要です。
一般的にシーリングの寿命は5年~10年程度とされているため、定期的に状態をチェックし、劣化がみられるようであれば専門業者に相談して適切に打ち替えや補修を行うようにしましょう。
弾性塗料は、ゴムのように柔軟性のある塗料で、外壁にできやすい細かなひび割れにも追従できるのが特徴です。塗膜が伸縮することで、雨水の浸入を防ぎ、コンクリート劣化を抑える効果が期待できます。
そのため、防水性を重視するマンションの外壁改修では多く採用されています。特に「複層弾性仕上げ」と呼ばれる仕様では、中塗り・上塗りをそれぞれ2回ずつ行い、厚みのある塗膜を形成するため、高い防水性が確保できます。
その一方で、塗料の使用量が多くなる分、施工費用がやや高くなる傾向があります。また、色付きの塗料で仕上げるため、打ち放しコンクリートのような素材感は隠れてしまいます。仕上がりをしっかりとイメージすることが大切です。
耐用年数は、選ぶ塗料のグレードによって異なりますが、一般的には7〜20年程度が目安とされています。
撥水剤は、コンクリートの表面に塗膜を形成せず、素材内部に浸透して水の浸入を防ぐタイプの吸水防止剤です。表面の質感を変えないため、打ち放しコンクリートのような素材の風合いを活かしたい建物に適しています。
施工後も、外壁の見た目がほとんど変わらない点が大きなメリットですが、下地の色ムラや補修跡を隠すことはできません。
また、塗膜で保護するタイプの塗料に比べて耐久性はやや劣り、耐用年数は3〜7年程度とされているため、比較的短い周期での再施工が必要になります。初期コストを抑えつつ、素材感を活かしながら防水性を確保したい場合には、有効な選択肢と言えるでしょう。
クリヤー塗料は、無色透明の塗膜で建物を保護する塗料です。コンクリートの素材感をそのまま活かしながら、紫外線や雨などから外壁を保護できるという特徴があります。
撥水剤に比べて、表面にしっかりとした保護層を形成できるため、耐候性や防汚性の面でも優れた効果が期待でき、耐用年数は選ぶ塗料のグレードによって5〜15年程度とされています。
ただし、外壁にひび割れがある場合には、補修跡がそのまま透けて見えてしまうので、事前に仕上がりの確認をすることが大切です。
コストはやや高めになりますが、外壁の状態や希望する仕上がりに合わせて、見た目と機能のバランスを重視する際に選ばれるケースが多い塗料です。
コンクリート描写再現工法は、シリコンやフッ素系の塗料をスポンジングや特殊ローラーで丁寧に塗り重ねて、打ち放しコンクリート特有の風合いをリアルに再現する仕上げ方法です。
補修跡を自然にカバーできるため、新品のような美しい外観に仕上げることができます。高度な技術を要するため、対応できる業者は限られますが、意匠性の高さと耐久性を両立できるという点が大きな特徴です。
耐用年数はおおよそ10〜15年とされ、美観を重視するマンションには非常に適した工法と言えるでしょう。
塗装工事は、単に見た目を整えるための「化粧直し」ではありません。外壁の劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばす重要なメンテナンスであり、資産価値の維持に直結する重要な取り組みです。
さらに、美観の回復は居住者の満足度を高め、空室リスクの軽減にもつながります。そのためにも、外壁の状態を定期的に確認し、劣化の状況に応じて計画的に塗装を行うことが大切です。
また、塗料の性能や工法の選定だけでなく、施工を担当する業者の技術力や実績も、信頼できるパートナーを見極めるうえで欠かせないポイントになります。
ビルドアートでは、コンクリートマンションの維持管理に関する豊富な知識と実績をもとに、それぞれの建物に最適な調査や改修工事のご提案を行っています。
劣化診断から施工、アフターフォローまで一貫して対応できる体制を整えておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。