担当:まるやま
「外壁や屋根を直したいが、工場ラインを止めるわけにはいかない」「店舗の足場で見栄えが悪くなりそう」「客足が遠のくのが心配」
このようなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。法人オーナー様・店主様にとって、工事中の営業・稼働への影響は大きなハードルと言えます。
一般の住宅とは異なり、事業用不動産の修繕の場合は工事計画の立案段階から、事業スケジュールを最優先に考えていくことが重要です。
今回は工場・店舗の修繕工事において、抑えておきたいポイントを解説いたします。
建物全体を一気に工事するのではなく、エリアを区切ってフェーズごとに作業を進める手法です。
「工事エリア」と「稼働エリア」を明確に分けることで、通常業務を継続しながら施工が可能になります。
資材の搬入口や出荷ラインを確保するためエリアを3〜4つに分割し、1ブロックの工事が完了してから次のブロックの工事に進みます。完全に分割できない場合は、工事側と稼働側を安全ネット・養生シートで仕切る方法などを用いて対処するのがいいでしょう。
また、フォークリフト・搬入トラック・作業員の動線を図面上で整理し、工事エリアと稼働エリアが干渉しないよう計画することが大切です。その際「どのルートを常時確保するか」を施工会社と事前に話し合っておくと、職人や工場で働く従業員もスムーズに対応できます。
注意点として、屋根は一気に全面施工するのが基本なので、雨水浸入リスクを考慮した計画が必要です。工場の生産ラインと施工のタイミングを計り、慎重に判断しましょう。
店舗の場合は、入口の確保を最優先に行います。外壁・屋根工事中も足場の組み方を工夫し、入口周辺だけは早期に足場を解体するか、動線を確保した状態で施工を進めます。
加えて、駐車場の確保も重要です。駐車場も全体を閉鎖するのではなく、期間ごとに施工エリアと開放エリアを決めて常に一定数の駐車スペースを確保することで、来店者数への影響を最小限に抑えます。
また、セール期間・年末年始・地域イベントなど、来客が集中する時期を事前に施工会社に伝えておくことも大切です。繁忙期の前後に工程を調整して計画を立てられるかがカギとなります。
平日の日中に作業ができない場合は、時間軸をずらした施工プランが必要です。
工場の場合は土日祝日のライン停止中や、夜間のメンテナンス時間帯に集中して作業を進めます。
特に「高圧洗浄」「下塗り」などの臭い・騒音が発生する工程を優先的に夜間に行うことで、日中の営業環境をクリーンに保つことが可能です。
店舗の場合は閉店後の深夜帯に騒音・臭気が強い工程を行い、開店前に現場を通常状態に戻す方法もあります。翌朝の開店に間に合うよう養生・片付けまで工程に含めて計画的に進めることが重要です。
夜間に内装・外装工事を行うことで、日中の営業活動に支障をきたすことなく改装が進められます。ただし、注意点もあります。
夜間施工は、職人の安全管理・近隣への騒音への配慮・照明確保が通常時の施工以上に求められます。近隣住民への事前説明は法的義務ではありませんが、トラブル防止のためにも事前の説明は不可欠です。
近隣対策はもちろん、働くスタッフや来店客への配慮も欠かせません。特に「臭い」は、飲食店・食品工場にとって経営に直結する重要課題と言えます。
特に食品工場・飲食店では、塗料特有のシンナー臭に特別な注意が必要です。食品に臭いが移るリスクがあるため、水系塗料や環境配慮型の低VOC塗料を使用するのが適切です。
臭いが少ない塗料を選定する場合はF☆☆☆☆(フォースター)基準を確認しましょう。F☆☆☆☆(フォースター)認定品はホルムアルデヒドの発散量が最も少なく、安全性が高い製品です。
ただ、水系塗料や低VOC塗料を選んだ場合でも、サーキュレーター等と組み合わせてしっかりと換気することが重要です。
換気が不十分な室内・密閉空間では臭気濃度が高まりやすいため、換気に関しても施工会社に確認しながら計画しておく必要があります。
例えば、メッシュシートや仮囲いに「通常通り営業中」「工事中も開店しています」という表示を大きく掲示することで、来店者の不安・遠慮を解消できます。
さらに「リニューアルオープン準備中」という訴求は、来店者の期待感を高める効果も期待できます。
足場自体を一つの広告塔として活用し、会社名・ブランド・商品告知を掲示することで、工事期間中も認知拡大の機会として利用することも可能です。
もし足場で入口がわかりにくくなる場合は、誘導看板・矢印・地面へのテープ誘導で来店者が迷わないよう対策を施しましょう。
川崎や横浜などの臨海工業地帯は、大型トラック・コンテナ車の出入りが激しいため、ガードマンの配置と搬入スケジュールの事前調整が必要です。
また塩害地域であるため、塗料を選定する際は耐塩害性仕様と防食処理の確認も行っておくようにしましょう。
住宅密集地の店舗で夜間工事を行う場合は、近隣住民・自治会への事前説明会と防音対策を徹底することが重要です。
共同住宅・マンションが隣接する場合は、振動・粉塵の飛散防止も強化し、近隣トラブルを未然に防ぎます。
神奈川の各市では工事・振動に関する条例が定められているエリアもあるため、事前に県・市のホームページなどで確認しておきましょう。
飲食店や食品取扱施設は、食品衛生・臭気対策の特別管理が不可欠です。基本的に油性塗料は使用せず、水性塗料・低VOC塗料を採用します。
厨房設備・食品機械の養生や換気による悪臭対策など、安全面と衛生面を優先的に考え、工事の順序や導線を計画することが重要です。
工場・店舗の修繕は、単なる工事ではなく「経営の一部」と言えます。「生産ラインをどのように進めるか」「繁忙期をどう避けるか」という経営スケジュールを考慮し、修繕計画を立てることが大切です。
納得いくまで施工会社と打ち合わせを重ね、作業時間帯の検討や水性塗料を使用するなどの対策を行い、建物だけでなく利益を守ることも意識してみましょう。
ビルドアートではさまざまな修繕実績がありますので、オーナー様のご要望に合ったご提案が可能です。工場・店舗の修繕をどのように進めていけばいいのかお悩みの方は、ぜひ弊社までご相談ください。